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Updated 2012/04/04







法48条(出所の明示)の意義と解釈 

著作権法48条参照

 『思うに、右規定が出所の明示を他人の著作物の自由利用の要件としたのは前示のように著作権者の保護を旨としたものと解されるが、その出所の明示については、利用される原著作物に表示されている著作者名を表示すれば足り、もしその著作物が無名のものである場合には著作者名を調査してまで表示する必要はないと解するのが相当である(現著作権法第48条第2項参照)。けだし、著作者は、その著作物の原作品又は複製品に著作者名を表示する権利のほか、表示しないこととする権利(無名で発行する権利)を有すること(旧著作権法第5条、現著作権法第19条第1項参照)に鑑みると、無名の著作物はその著作者において氏名を表示してないこととする権利を行使したものと考えられるところ、さような場合に、その著作物の利用上著作者名を表示することは、著作者の保護につながらず、また、その必要もないからである。』
〜「パロディ・モンタージュ写真事件」昭和510519日東京高等裁判所(昭和47()2816)〜

 『この点につき,控訴人らは,罰則上,著作権侵害の罪とは別に出所明示義務違反の罪が設けられていることを根拠として,著作権法481項の出所明示義務は,同法321項により適法な引用と認められる場合に課される法律上の義務ではあるものの,この義務に反し出所明示を怠った場合であっても,著作権侵害が成立するわけではない,と主張する。しかしながら,控訴人らの上記主張は,出所を明示しない引用が適法な引用と認められる場合(出所を明示することが著作権法321項にいう公正な慣行に当たると認められるには至っていないことを,当然の前提とする。)には当てはまっても,出所を明示することが公正な慣行と認められるに至っている場合には,当てはまらないというべきである。出所を明示しないで引用することは,それ自体では,著作権(複製権)侵害を構成するものではない。この限りでは,控訴人らの主張は正当である。しかし,そのことは,出所を明示することが公正な慣行と認められるに至ったとき,公正な慣行に反する,という媒介項を通じて,著作権(複製権)侵害を構成することを否定すべき根拠になるものではない。出所を明示しないという同じ行為であっても,単に法がそれを義務付けているにすぎない段階と,社会において,現に公正な慣行と認められるに至っている段階とで,法的評価を異にすることになっても,何ら差し支えないはずである。そして,出所を明示する慣行が現に存在するに至っているとき,出所明示を励行させようとして設けられた著作権法481項の存在のゆえに,これを公正な慣行とすることが妨げられるとすれば,それは一種の背理というべきである。』
〜「バーンスタイン翻訳台本無断引用事件」平成140411日東京高等裁判所(平成13()3677)〜











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