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著作権法条文解説
著作権法第2条(定義)第1項第3号・4号:
「1 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
<ⅲ>実演 著作物を、演劇的に演じ、舞い、演奏し、歌い、口演し、朗詠し、又はその他の方法により演ずること(これらに類する行為で、著作物を演じないが芸能的な性質を有するものを含む。)をいう。
<Ⅳ>実演家 俳優、舞踊家、演奏家、歌手その他実演を行う者及び実演を指揮し、又は演出する者をいう。」
法2条は、著作権法において重要な概念となる用語や頻繁に使用される用語の意義をあらかじめ明確に定めることにより、解釈上の疑義を極力避けることを狙った規定です。
著作権法にいう「実演」とは、演劇的な行為によって著作物を伝達することをいい(3号参照)、この行為を行う者(著作物の伝達者)が「実演家」です(4号参照)。もっとも、演劇的な行為に類する行為のうち、「著作物を演じないが芸能的な性質を有するもの(行為)」については、これを「実演」の射程範囲に含めています(3号かっこ書)。例えば、奇術やサーカス、手品、曲芸、腹話術等がこれに該当すると解されます。条約等で用いられる英語表記としては、「実演」= performance「実演家」= performer が一般的です。
「実演家」には、「実演を行う者」(例えば、俳優、舞踊家、演奏家、歌手、奇術師、マジシャンなど)と、「実演を指揮し、又は演出する者」(例えば、指揮者や演出家など)の両者を含みます。なお、「実演家」は、プロの職業人として実演を行う者だけに限りません。一般人も「実演」を行えば「実演家」に該当します(例えば、小学校の学芸会で芸を演じる子どもたち)。