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著作権法条文解説

著作権法第24(口述権)

「著作者は、その言語の著作物を公に口述する権利を専有する。」

著作権法第2(定義)1項第18号:

1 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(ⅹⅷ) 口述 朗読その他の方法により著作物を口頭で伝達すること(実演に該当するものを除く。)をいう。」

著作権法第2(定義)7項:

「7 この法律において、…「口述」には、著作物の…口述で録音され、又は録画されたものを再生すること(公衆送信又は上映に該当するものを除く。)及び著作物の…口述を電気通信設備を用いて伝達すること(公衆送信に該当するものを除く。)を含むものとする。」(一部省略)

口述権とは

著作権法第24条は、言語の著作物の著作者が、当該著作物を公に口述する排他独占的権利を有することを定めています。
ここで「口述」とは、「朗読その他の方法により著作物を口頭で伝達すること」(ただし、「実演」に該当するものを除きます**。)をいいます(2118)。例えば、小説や詩を公衆の面前で朗読する場合などが典型的な「口述」に該当します。また、「口述」には、生の朗読等だけでなく、口述をCDやテープ等に録音したものを再生することなども含むとされています(27)。例えば、他人の講義を録音したものや英会話テキストのCDを著作権者に無断で公に再生して聞かせる行為は、原則としてこの口述権の侵害に当たります。
**言語の著作物を口頭で伝達する際にその者の演技が加わると(例えば、「講談」や「落語」などの場合)、それは「口演」となり、口述権ではなくて、上演権(22)の射程範囲に入ります。

「口述権」は、言語の著作物を「公に」口述する場合に著作者に認められる権利です。「公に」というのは、著作権法では、「公衆に直接見せ又は聞かせることを目的として」という意味で統一して使われています(22条かっこ書参照)。さらに、「公衆」とは、不特定の者又は特定多数の者をいいます(25項参照)。この定義から、著作権法上、「特定少数」は「公衆」に該当しないため、家庭内やそれに準ずるごく限られた友人間におけるような「特定少数」に対する口述には、そもそも口述権は及ばないことになります。