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著作権判例セレクション

類似のスクール講座情報誌の編集・発行につき、その一般不法行為該当性を否定した事例

平成170329日東京高等裁判所[平成16()2327]
3 被控訴人の不法行為の成否について
控訴人は,被控訴人は,被控訴人各情報誌において,控訴人各情報誌の広告記事・インデックスの配列方法,アイコン一覧表,レイアウト及びFAXシートを模倣し,また,控訴人の運営する控訴人サイトの手法を模倣し,被控訴人サイトを運営して,被控訴人各情報誌を発行する行為は,控訴人の獲得してきた媒体としての信用にただ乗りし,控訴人の顧客を奪取するという不正競争的意図を有するものであって,著しく不公正な手段を用いて他人の法的保護に値する営業活動上の利益を違法に侵害するものとして,不法行為を構成すると主張する。
しかしながら,控訴人各情報誌の配列方法,アイコン一覧表,レイアウト及びFAXシート並びに控訴人の運営する控訴人サイトの手法は,著作権法上の保護を受けるものではなく,控訴人がその独占的使用を主張し得る筋合いのものではないから,被控訴人においてこれらのノウハウを使用する行為は,それがデッド・コピーに当たるなど自由競争の範囲を逸脱したものと認められる特段の事情がある場合を除き,何ら違法性を帯びるものではないところ,被控訴人各情報誌及び被控訴人サイトは,控訴人各情報誌及び控訴人サイトをデッド・コピーしたものであると認めることができないことは,以上の判示に照らして明らかであり,他に,上記の特段の事情の存在をうかがわせるに足りる証拠はない。
したがって,被控訴人に控訴人主張のような不法行為に該当する行為を認めることはできないから,控訴人の不法行為に基づく請求も,その余の点について判断するまでもなく,理由がない。