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著作権判例セレクション
【言語著作物】ゲートボールの競技規則書の著作物性を認めた事例
▶昭和59年02月10日東京地方裁判所八王子支部[昭和56(ワ)1486]
以上の認定事実によれば、原告各規則書は、Aが考案したゲートボール競技に関して、ゲートボール競技のいわれ、レクリエーシヨンスポーツとしての意義、競技のやり方、競技規則等の全部ないし一部を固有の精神作業に基づき、言語により表現したものであり、その各表現はスポーツという文化的範疇に属する創作物として著作物性を有するというべきである。
この点に関し、被告は競技規則を表現した部分は思想、感情抜きで機械的に表現されているから、その著作物性には問題があると主張するけれども、新たに創作されたスポーツ競技に関し、その競技の仕方のうち、どの部分をいかなる形式、表現で競技規則として抽出、措定するかは著作者の思想を抜きにしてはおよそ考えられないことであり、本件原告各規則書の規則自体もAの独創に係るものであることは前認定のとおりであつて、それは文化的所産というに足る創作性を備えているのであるから、その著作物性を否定し去ることはできないというべきである。