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著作権判例セレクション
【著作者の権利】無方式主義
▶平成23年2月9日東京地方裁判所[平成21(ワ)25767等] ▶平成23年10月31日知的財産高等裁判所[平成23(ネ)10020]
また,被告は,本件サイト上に原告が著作権者であると表示されておらず,何人もこれを原告の著作物であると判断することはできないなどと主張するが,著作権が成立するためには,いかなる方式の履行も必要ではなく(著作権法17条2項),著作権者であることを表示する必要はないから,原告の主張は失当である。なお,本件サイト上には原告が著作権者である旨の表示はないが,被告に本件写真の著作権侵害につき少なくとも過失を認め得ることは,後記2のとおりである。
[控訴審同旨]
次に,控訴人は,本件写真が掲載されていたA議員の本件サイトには,当初「All rights reserved」との記述がなかったが,控訴人が指摘した直後に,上記サイトに「All rights reserved」との記述が追記されていることを問題とする。
しかし,著作権が成立するためにはいかなる方式の履行も必要ではなく(著作権法17条2項),著作権者であることを表示していなければ権利行使ができないものではないから,控訴人の上記主張は採用することができない。