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著作権判例セレクション

【名誉権等】報道番組での,自身(精神鑑定を行った医師)の映像・証言の使用が問題となった事例

▶平成231028日京都地方裁判所[平成21()3642]
() 本件は,いわゆる光市母子殺害事件差戻後控訴審の公判において,弁護人請求証人として,被告人の精神鑑定を行ったことについて証言した精神科医師である原告が,被告が製作して全国に放送されたテレビ番組の中で,原告の映像が無断で使用された上,原告の証言の趣旨を歪曲し,原告を誹謗,中傷する報道がなされたため,原告の社会的評価が低下して名誉が毀損され,原告の肖像権,パブリシティ権並びに上記映像に関する原告の著作者人格権及び著作権が侵害されたとして,被告に対し,不法行為に基づき,慰謝料等の支払いなどを求めた事案である。
本件報道は全体で約18分間あるが,冒頭から約13分間,本件刑事事件について被告が編集したVTR映像が放送された。そのうち,本件証人尋問に関する報道は,別紙記載の内容で約55秒間放送され,その中で,テレビ局のインタビューに答えている原告の上半身の映像(「本件映像」)が,11秒間及び8秒間の2回に分けて使用された。
本件映像は,被告の系列テレビ局である讀賣テレビが,平成12年2月11日ころ,原告に対して実施したインタビューを撮影して録画し,同日,讀賣テレビが放送したニュース番組において放送されたものである。上記インタビューは,平成11年12月に京都市伏見区の小学校で発生した児童刺殺事件(「別件殺人事件」)の犯人について,原告が,精神医学的観点から分析した見解を説明するものであった。

1 名誉毀損(争点Ⅰ)
(1) 社会的評価の低下の有無(争点Ⅰ(1)
ア テレビジョンで放送された報道番組の内容が人の社会的評価を低下させるものであるか否かは,一般視聴者の普通の注意と視聴の仕方を基準として判断すべきであり,その番組によって摘示された事実の内容についても,一般の視聴者の普通の注意と視聴の仕方とを基準として判断すべきである。
そして,テレビジョンで放送される報道番組においては,新聞記事等による報道の場合とは異なり,視聴者は,音声及び映像により間断なく提供される情報を瞬時に理解することを余儀なくされるのであり,録画等の特別の方法を講じない限り,提供された情報の意味内容を十分に検討したり,再確認したりすることができないものであることからすれば,その報道番組により摘示された事実がどのようなものかという点については,その報道番組の全体的構成,これに登場した人物の発言内容,画面に表示されたフリップやテロップ等の文字情報の内容を重視すべきことは当然であり,加えて,映像の内容,効果音,ナレーション等の映像及び音声に係る情報の内容並びに放送内容全体から受ける印象を総合的に考慮して判断すべきである(平成15年判決参照)。
() これを本件についてみると,上記記載の本件報道の内容によれば,本件報道は,ナレーション及びテロップ表示により,A大学の教授である原告の氏名を特定した上で,原告が,本件被告人と接見し,本件刑事事件において弁護人請求証人として証言した精神科医であること,原告が,本件証人尋問において,本件被告人は,父親からの虐待,母親の自殺が影響し,精神の発達が極めて遅れているとして,責任能力を疑問視し,当時18歳であった本件被告人の責任を問うのは難しい旨の証言をしたこと,原告は,しかしながら他方で,山のような鑑定資料のコピーをもらったが,全部読むのは面倒くさかったとも証言し,供述調書などを細かく読んではいないと述べたことを,事実として摘示したものであるということができる。そして,本件コメンテーターは,これらの事実の摘示を受けて,「A大学のですね,精神鑑定医がですね,裁判で,山のような,この,鑑定資料のいろいろのコピーをね,物を,ホント全部読むのがじゃまくさかったと」と発言したものであるが,本件コメンテーターの上記発言は,新たな事実を摘示するものではないというべきである。
() 上記のとおり摘示された各事実について,一般の視聴者の普通の注意と視聴の仕方を基準として判断すると,原告が,社会の耳目を集めた本件刑事事件において,本件被告人の精神鑑定という重要な役割を担いながら,鑑定資料のコピーを全部読むのが面倒くさかったため,供述調書等を細かく読んでいなかったというのであるから,本件報道は,視聴者に対して,本件鑑定が信用できないのみならず,原告自身が無責任な人物であるという印象を与えるものであって,原告の社会的評価を低下させるものであるということができる。
ウ なお,証拠によれば,本件報道のうち,本件映像が使用されている部分は,原告がインタビューに応じて何かを説明する本件映像がスローモーションにより再生されているが,その際,上記インタビューの際の音声は放送されず,ナレーションにより原告の属性及び本件証人尋問の内容について解説されていることが認められ,本件映像は,一般の視聴者の普通の注意と視聴の仕方を基準とすれば,「資料映像」等の注意書きを付さなくても,本件証人尋問とは別の機会に撮影された映像であって,原告がどのような人物であるかを紹介するために用いられたものであることが容易に理解できるから,原告が本件証人尋問について被告のインタビューに応じたかのような誤解を招くものではない。
(2) 違法性阻却事由等(争点Ⅰ(2)
ア 事実を摘示しての名誉毀損については,その行為が公共の利害に関する事実にかかり,かつ,その目的が専ら公益を図ることにあった場合に,摘示された事実がその重要な部分について真実であることの証明があったときには,その行為の違法性が阻却され,また,仮に,その事実が真実であることの証明がないときでも,行為者においてその事実を真実と信ずるについて相当の理由があれば,その故意又は過失は否定される。また,特定の事実を基礎とする意見ないし論評の表明による名誉毀損については,その行為が公共の利害に関する事実にかかり,かつ,その目的が専ら公益を図ることにある場合に,その意見ないし論評の前提としている事実が,その重要な部分について真実であることの証明があったときには,その意見ないし論評の表明が,人身攻撃に及ぶなど意見ないし論評としての域を逸脱したものでない限り,その行為の違法性が阻却され,また,その事実が真実であることの証明がないときでも,行為者においてこれを真実と信じたことについて相当の理由があれば,故意又は過失を欠くものとして,結局,不法行為は成立しないものと解すべきである(昭和41年判決,昭和58年廷判決,最高裁昭和62年4月24日第二小法廷判決,最高裁平成元年12月21日第一小法廷判決,最高裁平成9年9月9日第三小法廷判決,最高裁平成16年7月15日第一小法廷判決)。
() これを本件についてみると,本件証人尋問は,社会の耳目を集めた本件刑事事件において,本件被告人の精神鑑定を行った精神科医師である原告に対する証人尋問であり,本件弁護人らの弁護活動の一環として,社会的な注目を集めていたといえるから,本件証人尋問に関する事実は,公共の利害に関する事実であるということができる。
() そして,本件報道は,上記のとおり公共の利害に関する事実である本件証人尋問の内容について,被告が報道機関として国民の知る権利に資するために報道したものというべきであって,本件報道の目的は専ら公益を図ることにあったということができる。
() そして,本件報道が摘示した事実は上記(1)()記載のとおりであるところ,証拠によれば,原告が,本件証人尋問の主尋問において,本件被告人は,父親からの暴力,虐待,母親との相互依存関係及び母親の自殺の3点が大きな要因となって,精神的発達が極めて遅れていること,並びに,本件被告人に18歳以上の者に対するのと同様の責任を問うことは難しい旨を証言し,さらに,反対尋問で検察官から本件鑑定書に挙げられた鑑定資料について問われた際に,「山のようにコピーを渡されたんで,一言で言って,全部読むのが面倒くさいんで,刑事調書その他についてはぱらぱらとしか見てないから省いた」旨の本件証言を行ったことが認められるから,本件報道が摘示した事実の重要な部分は,いずれも真実であったということができる。
() したがって,本件報道について違法性が阻却され,名誉毀損による不法行為は成立しないというべきである。
() これに対し,原告は,①本件報道は,過剰な演出及び歪曲した事実の報道のもと,被害者遺族の立場にたって,ことさらに本件弁護人らを批判し,本件鑑定の信用性を貶めるものであるから,専ら公益を図る目的のものとはいえず,②本件証人尋問の重要な部分は本件鑑定の判断内容であるし,本件証言の趣旨は,本件鑑定において供述調書等を読むことが重要ではないため原告が鑑定資料の中から重要なものを選択したというものであるから,本件報道は重要な部分が真実であるとはいえないと主張している。
() この点,証拠によれば,本件報道を含めたテレビ番組による本件刑事事件に関する報道について,集団的過剰同調,刑事裁判の前提知識の不足等,報道姿勢に関する問題を指摘する意見がBPOから提出されたことが認められるが,これはあくまで被告を含む複数のテレビ局に対し包括的に提起されたBPOの意見であって,これに対する反論もなされているところである。また,本件刑事事件は社会の耳目を集めた裁判であり,本件弁護人らの弁護活動一般はもとより,本件被告人の精神状態を分析した本件鑑定の持つ重要性に照らせば,これに対する批判的意見を含めて,その当否を広く国民に問いかけることは報道機関のあるべき姿であるというべきところ,本件報道は,本件証人尋問における原告の証言として,原告が,本件被告人は,父親からの虐待,母親の自殺が影響し,精神の発達が極めて遅れていると供述したことをも報道しており,必ずしも本件被告人の厳罰だけを求める方向で一方的な事実を摘示しているわけではないし,本件報道は,本件弁護人らの弁護手法や本件鑑定の信用性に疑問を呈するものといえるが,原告に対してことさらに人身攻撃を及ぼすものとはいえないことに加え,上記イ()及び下記()記載のとおり,本件報道において摘示された事実の重要部分は真実であったといえるものである。これらの事実からすると,本件報道が中立性,公正性を欠くものということはできない。
() 次に,事実の真実性又は真実相当性については,名誉毀損が問題となった当該表現において摘示された事実の重要な部分が対象とされるべきであり,本件においては,本件報道が摘示した上記(1)()記載の各事実のうち重要な部分について真実性又は真実相当性が問題とされるべきである。これと異なり,本件報道の対象とされた本件証人尋問の重要部分が何かを問題としている原告の主張は,その前提において失当である。
また,本件証言は,供述調書等について「一言で言って,全部読むのが面倒くさい」と総括的に表現したものであることに加え,証拠によれば,原告は,本件証人尋問の際,本件証言に引き続き,検察官からの「そうすると,細かくは検討されていないということですか」という質問に対し,「はい」と答えており,本件証人尋問において,本件鑑定の鑑定資料と供述調書等との関係に関する証言はこれらの他に存在せず,本件弁護人らからの再主尋問においても触れられていないことが認められるから,一般人の通常の理解によって,本件証言の趣旨を原告が主張するように解釈することは困難である。
そして,証拠によれば,本件被告人は,捜査段階の当初を除き,本件刑事事件の第1審から第1次上告審において公判期日が指定されるまで,ほぼ一貫して公訴事実を認めていた(以下「旧供述」という。)にもかかわらず,差戻後控訴審である本件刑事事件において旧供述を一変させて公訴事実を全面的に争う内容の供述(以下「新供述」という。)を行ったこと,本件鑑定は,新供述に依拠して犯行時の本件被告人の精神状態を分析していること,本件刑事事件の判決は,そもそも本件被告人の新供述は到底信用できないものとし,本件鑑定についても,供述調書等を検討していないことや新供述を前提としていることから前提事実に誤りがあるものとして排斥していることが認められる。
これらの事実からすると,犯行時の本件被告人の精神状態を分析した本件鑑定において,旧供述を記載した供述調書等は重要な意味を持つ資料であったといえるので,原告が供述調書等を細かくは検討していないという事実は,本件鑑定の信用性に影響を与える重要な事実であったというべきであり,この観点からも原告の主張は失当である。
() したがって,上記()記載の原告の主張は,いずれも採用しない。
2 肖像権又はパブリシティ権の侵害(争点Ⅱ)
(1) 肖像権の侵害による不法行為の成否(争点Ⅱ(1)
ア 人は,みだりに自己の容貌等を撮影,公表されないことについて法律上保護されるべき人格的利益を有しており,それを違法に侵害した行為は不法行為となるが,ある者の容ぼう等を承諾なく撮影し,又は撮影した容ぼう等を承諾なく公表することが不法行為法上違法となるか否かは,被撮影者の社会的地位,撮影された被撮影者の活動内容,撮影の場所,撮影の目的,態様,必要性等を総合考慮して,人格的利益の侵害が社会生活上受忍限度を超えるか否かによって判断すべきである(平成17年判決参照)。
イ これを本件についてみると,証拠によれば,本件映像は,原告が讀賣テレビのインタビューに応えて説明している姿を原告の胸の上から顔までが映るように撮影したものであるところ,原告は,本件映像を讀賣テレビが撮影し,同社のテレビ番組において放送することを承諾していたことが認められるが,被告が本件番組において本件映像を公表することについて,原告が明確な承諾をしていたことを認めるに足る証拠はない。
他方,証拠によれば,原告は,本件報道の前後を通じて,精神医学の専門家としてテレビ番組や新聞等の多数のメディアに意見を寄せて出演していたこと,本件映像はテレビ番組で放送されることを前提に撮影されたものであり,原告においても当然にそのことを認識しており,現に少なくとも1度はテレビ番組において社会一般に公開された映像であることが認められるから,本件映像中の自己の容ぼう等が公表されることによる原告の人格的利益の侵害の程度は低いというべきである。これに加えて,上記1(2)記載のとおり,本件証人尋問に関する事実は,社会の注目を集めた公共の利害に関する事実であり,そこで証言を行った原告がどのような人物かについても社会の重要な関心事であったといえるし,本件報道が中立性又は公正性を欠くとはいえず,本件報道は専ら公益を図る目的で行われたといえることからすると,本件報道において本件映像を公表されたことによる原告の人格的利益の侵害は,社会生活上受忍すべき限度を超えるものではなかったというべきであり,これを違法ということはできない。
ウ そして,上記のとおり,本件映像が,テレビ番組で放送されることを前提に撮影され,現に1度はテレビ番組で放送された映像であること,本件映像の内容は,テレビ局のインタビューに応じて説明する原告の姿であって,これが公開されることにより特段の不快感を覚えるものではないこと,原告は,本件番組以前にも多数のメディアに出演し,その容ぼう等を公表していたこと等からすると,本件映像は,一般人の感受性を基準として他人への公開を欲しないものであるとはいえず,本件報道はプライバシー侵害に該当しない。
(2) パブリシティ権の侵害による不法行為の成否(争点Ⅱ(2)
ア 人は,その氏名・肖像を自己の意思に反してみだりに使用されない人格権利を有しており(最高裁昭和63年2月16日第三小法廷判決,昭和44年判決参照),氏名・肖像の無断の使用は当該個人の人格的価値を侵害することになる。したがって,芸能人やスポーツ選手等の著名人も,人格権に基づき,正当な理由なく,その氏名・肖像を第三者に使用されない権利を有するということができるが,著名人については,その氏・肖像を,商品の広告に使用し,商品に付し,更に肖像自体を商品化するなどした場合には,著名人が社会的に著名な存在であって,また,あこがれの対象となっていることなどによる顧客吸引力を有することから,当該商品の売上げに結び付くなど,経済的利益・価値を生み出すことになるところ,このような経済的利益・価値もまた,人格権に由来する権利として,当該著名人が排他的に支配する権利(以下,この意味での権利を「パブリシティ権」という。)であるということができる(知財高裁平成20年(ネ)第10063号同21年8月27日判決参照)。
イ これを本件についてみると,証拠によれば,原告は,本件映像の撮影を含めて,テレビ局の取材に応じる際には数万円程度の出演料の支払いを受けていたこと,取材を行うテレビ局によっては,再放送に備えてリポート料を支払っていたことが認められる。しかし,一般に,取材対象者には所在目的に応じた知識や経験を備えていることが期待され,現に取材を行い,その様子を撮影する際には,取材対象者において相応の労力及び時間が消費されるものであるから,取材対象者にこれらの知識,経験,労力及び時間に応じた相当の報酬が支払われることが通常想定されているといえるところ,原告がテレビ局から支払を受けた出演料等が,上記の意味の報酬にとどまらず,原告が有する顧客吸引力に着目したパブリシティ権の対価として支払われていたことを認めるに足る証拠はないし,その他,原告の氏名・肖像が経済的利益・価値を有することを認めるに足る的確な証拠はない。
また,本件報道の内容をみても,本件報道は,社会の耳目を集める本件刑事事件において,本件被告人の精神鑑定を行い,公判において証言した人物として原告を紹介しており,本件証人尋問の内容を説明するナレーションとともに原告の姿を映した本件映像を放送していることからすると,被告は,上記のとおり本件被告人の精神鑑定を行い,公判において証言した原告の容ぼう等を客観的事実として報道するために本件映像を使用したといえるのであって,被告が,本件映像を放送することにより,原告の氏名・肖像が有する顧客吸引力を利用したことをうかがわせる事情は認められない。
したがって,被告が本件報道において本件映像を放送したことにより,原告のパブリシティ権が侵害されたということはできない。
3 著作者人格権又は著作権の侵害(争点Ⅲ)
(1) 本件映像の著作物性
ア 本件映像は,讀賣テレビがニュース番組に使用するために原告をインタビュー取材して録画したものであるから,映画の効果に類似する視覚的又は視聴覚的効果を生じさせる方法で表現され,かつ,物であるビデオテープに固定された著作物であり,映画の著作物に該当する(著作権法2条3項,10条1項7号)。
イ 次に,本件映像のもととなった原告のインタビューでは,原告が,別件殺人事件の犯人について精神医学の専門家として分析した結果を述べているところ,その内容が原告の思想又は感情を創作的に表現したものであって,学術の範囲に属するものといえるときには,上記インタビューにおいて原告が口述した内容(以下「本件口述内容」という。)は,言語の著作物に該当する余地がある(著作権法10条1項1号)。なお,原告は,本件映像は映像及び音声が不可分一体として言語の著作物となると主張しているが,思想又は感情を創作的に表現した著作物として意味を持つのは,原告が音声により表現した本件口述内容の部分に限られるから,上記原告の主張は採用しない。
(2) 本件映像全体について
証拠によれば,原告は,本件映像の撮影に当たり,讀賣テレビの担当者との間で一度ないし複数回の打合せを行ったことが推測できるが,本件映像において,原告はあくまでインタビュー対象にすぎず,本件映像の全体的形成に創作的に寄与したということはできないから,映画の著作物である本件映像全体について,原告が著作者又は共同著作者であるということはできない。
したがって,原告は,本件映像全体について著作者人格権及び著作権を有していない。
(3) 本件口述内容について
本件口述内容は,上記(1)イ記載のとおり,原告の思想又は感情を表現したものとして言語の著作物となる余地があり,その作成過程によっては原告が著作者又は共同著作者であるということができるが,被告は,本件報道において,本件映像から音声を切り離し,映像部分のみを使用しているから,本件口述内容に関する著作権又は著作者人格権を侵害したとはいえない。
4 結論
以上によれば,原告の本件各請求は,いずれも理由がないから棄却することとし,主文のとおり判決する。