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著作権判例セレクション

【著作権の譲渡】法612項の趣旨

平成151219日東京地方裁判所[平成14()6709]
法61条2項は,通常著作権を譲渡する場合,著作物を原作のままの形態において利用することは予定されていても,どのような付加価値を生み出すか予想のつかない二次的著作物の創作及び利用は,譲渡時に予定されていない利用態様であって,著作権者に明白な譲渡意思があったとはいい難いために規定されたものである。そうすると,単に「将来取得することあるべき総ての著作権」という文言によって,法27条の権利や二次的著作物に関する法28条の権利が譲渡の目的として特掲されているものと解することはできない。この点につき,法28条の権利が,結果的には法21条ないし法27条の権利を内容とするものであるとして,単なる「著作権」という文言に含まれると解釈することは,法61条2項が,法28条の権利についても法27条の権利と同様に「特掲」を求めている趣旨に反する。