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著作権判例セレクション

【著作権侵害総論】図面の毀棄行為は著作権を侵害するか

▶平成191212日東京地方裁判所[平成19()17959]
() 本件は,原告が,自ら作成した別紙記載の各図面(「本件図面」)を被告に交付したところ,被告が本件図面を毀棄したが,被告の上記行為は,本件図面について原告が有する著作権を侵害する不法行為を構成するとして,被告に対し,民法709条,著作権法114条に基づき,損害金等の支払を求めた事案である。

そこで,原告の本訴請求の当否について判断するに,本件において,原告が著作権侵害と主張する行為は,本件図面[注:放電燒結装置に関する図面]の毀棄行為である(原告は,本訴において,上記毀棄行為に関し,その他の法益の侵害を主張するものではない。)ところ,仮に本件図面に著作物性が認められたとしても,著作物が固定された有形物である本件図面の毀棄行為は,その著作物についての著作権を侵害することにはならないから,原告の主張はそれ自体失当である。