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著作権判例セレクション

【写真著作物】 ドローンを使用して撮影した写真の著作物性

令和4531日東京地方裁判所[令和3()9618]
1 争点1(原告写真は著作物に当たるか)について
(1) 前記前提事実、証拠及び弁論の全趣旨によれば、原告写真は、原告が、天候の良好な日の日中に、シンガポール共和国に所在するマリーナ・ベイ・サンズホテルを被写体として、ドローンを使用して、同ホテルの屋上を空から斜めに見下ろす角度で、同ホテルの屋上全体と周囲の景観等との調和を図りつつ撮影したものと認められる。そうすると、原告写真は、撮影の時間帯、撮影時の天候、構図等の選択において、原告の個性が表現されたものというべきである。
したがって、原告写真は、原告の思想又は感情を創作的に表現した著作物に当たる。
(2) これに対し、被告は、マリーナ・ベイ・サンズホテルの屋上プールをドローンで空から撮影すれば、どれも原告写真と類似したものにならざるを得ないなどと主張して、原告写真の著作物性を争っている。
しかし、写真の表現方法としては、撮影対象や撮影方法以外にも、構図等の選択において様々な工夫の余地が残されているところ、上記のとおり、原告写真には、それらの選択において原告の個性が表現されているというべきである。被告の上記主張は採用できない。