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著作権判例セレクション

【出版権】出版権侵害を否定した事例

▶平成131219日東京地方裁判所[平成13()22103]
4 争点(4)(出版権の侵害)について
出版権者は,著作権者との間の契約で定めるところにより,頒布の目的をもって,その出版権の目的である著作物を原作のまま印刷その他の機械的又は化学的方法により文書又は図画として複製する権利を専有する(著作権法80条[注:現同8011])。
本件において,前記1で認定したとおり,債権者F社は債権者甲との間の契約により本件著作物の出版権を取得したが,その内容は本件著作物を原作のまま印刷し文書として複製するというものである。
他方,債務者M出版の出版に係る債務者書籍は,前記2で認定したとおり本件著作物を翻案した部分を含むものであるが,本件著作物の複製物でないことは明らかである。
したがって,債権者F社の出版権侵害を理由とする申立ては,理由がない。