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著作権判例セレクション
【著作者人格権】著作者人格権の侵害性
▶平成15年09月09日東京地方裁判所[平成14(ワ)17648]
原告らは,本件除籍等により,著作権法によって保護されている原告らの著作者人格権が侵害されたなどとも主張しているが,この著作者人格権は,有体物としての書籍(本)そのものを保護の対象としているわけではなく,その書籍に文字や写真やイラストなどをもって固定されている表現内容などが著者に無断で変更されたり,使用されたりしないよう保護しているものであるところ,本件では,有体物としての書籍(本)そのものを除籍して廃棄したもので,その書籍の表現内容などに変更を加えたりしたものではないから,原告らの著作者人格権ないしは著作者の人格権そのものを侵害したという事案ではない。したがって,原告らのこの点の主張も採用することができない。
[参考(本件の最高裁判決)]
▶ 平成17年7月14日最高裁判所第一小法廷[平成16(受)930]
『他方,公立図書館が,上記のとおり,住民に図書館資料を提供するための公的な場であるということは,そこで閲覧に供された図書の著作者にとって,その思想,意見等を公衆に伝達する公的な場でもあるということができる。したがって,公立図書館の図書館職員が閲覧に供されている図書を著作者の思想や信条を理由とするなど不公正な取扱いによって廃棄することは,当該著作者が著作物によってその思想,意見等を公衆に伝達する利益を不当に損なうものといわなければならない。そして,著作者の思想の自由,表現の自由が憲法により保障された基本的人権であることにもかんがみると,公立図書館において,その著作物が閲覧に供されている著作者が有する上記利益は,法的保護に値する人格的利益であると解するのが相当であり,公立図書館の図書館職員である公務員が,図書の廃棄について,基本的な職務上の義務に反し,著作者又は著作物に対する独断的な評価や個人的な好みによって不公正な取扱いをしたときは,当該図書の著作者の上記人格的利益を侵害するものとして国家賠償法上違法となるというべきである。』