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著作権判例セレクション

【著作者人格権】著作者の死後における遺族による損害賠償請求は可能か

▶平成12929日東京地方裁判所[平成10()21141]▶平成140228日東京高等裁判所[平成12()5295]
右4のとおり、被告騎虎書房による本件書籍の発行行為及び被告エス・エス・アイによる本件カセットテープセットの発行行為は、本件第二著作物の著作者であるHが生存しているとしたならば、その著作者人格権(同一性保持権)の侵害となるべき行為であるということができるが、著作権法は、著作権法60条違反の効果として、差止めと名誉回復等の措置のみを認めており、損害賠償請求は認めていないから、原告Aは、著作者人格権(同一性保持権)の侵害となるべき行為が存したことを理由として、被告らに対して損害賠償請求をすることはできない。

[控訴審同旨]
『著作者人格権(同一性保持権)の侵害となるべき行為が存したことを理由とする原告Aの被告らに対する損害賠償請求は、著作権法上これを認めることができない。』