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著作権判例セレクション
【言語著作物】ウェブサイトの表示等に係る著作物性が問題となった事例
▶令和元年10月3日大阪地方裁判所[平成30(ワ)5427]▶令和2年10月28日知的財産高等裁判所[令和1(ネ)10071]
[控訴審]
⑶ 争点1-3(原告制作ウェブサイトの表示等に係る著作物性)について
ア 原告制作ウェブサイトのウェブページは,緑色を基調とし,ヘッダの左側に,「RISe TRADING SCHOOL」というロゴと図形から成る標章,同右側に緑地に白抜きで問合せ用のフリーダイヤルの番号,メール用のボタン及びオレンジの地に白抜きで「ログイン」というボタンが表示され,その下には,「トップページ」,「ライズ株式スクールとは」,「コース・料金表」,「受講生の声」及び「会社案内」との名称のタブがあり,フッタには,ヘッダと同じ被控訴人Pのロゴと図形からが成る標章があり,その末尾に,「Copyright Ⓒライズ株式スクールAll Rights Reserved」との表示がある。また,画面は,右側にサイドバーを置いた2列の構成である。サイドバーにはバナー等が配置され,メインの画面には各種記事,画像,図形等が配置されている
イ 控訴人は,原告ウェブサイトのウェブページにおいて,①ウェブページのタイトル,②URL,③メタ・ディスクリプション及びメタ・キーワード,④「無料株式セミナー」のページの表示等は,控訴人の思想又は感情を創作的に表現したものであるから,著作物に該当する旨主張する。
しかしながら,①については,ウェブページのタイトルは,当該ページに付せられた表題であり,ページの内容をごく短い短文で簡潔に記述するものであるから,表現の選択の幅はほとんどなく,控訴人が指摘するタイトルは,ありふれた表現である。
②については,URLは,当該ページのアドレスを表示するものであり,ページの性質に応じた語で簡潔に記述するものであるから,表現の選択の幅はほとんどなく,控訴人が指摘するURLは,ありふれた表現である。また,URLにパーマリンク設定をしたとしても,設定それ自体は表現行為ではなく,表示された結果は年月日等が表示されるだけのありふれた表現にすぎない。
③については,メタ・ディスクリプション及びメタ・キーワードは,ページ内の文章を適宜抜粋した短文であり,どの部分を抜粋するかはアイデアであり,表示された結果もページでされた表現に新たな思想又は感情を加えるものではない。また,控訴人は,メタ・ディスクリプション及びメタ・キーワードのどのような表現が創作性を有するのかについて具体的な主張立証をしていない。
④については,「無料株式セミナー」のページのどのような表現が創作性を有するのかについて,控訴人は具体的な主張立証をしていない。
したがって,控訴人の上記主張は採用することができない。