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著作権判例セレクション

テレビ番組はすべて「映画の著作物」に当たるか

▶平成16521日東京地方裁判所[平成13()8592]
まず,著作権法2条3項において,同法において保護される「映画の著作物」には,映画の効果に類似する視覚的又は視聴覚的効果を生じさせる方法で表現され,かつ,物に固定されている著作物を含むものとされているところ,同規定によれば,物に固定されていないような表現は,視覚的又は視聴覚的効果を生じさせる方法で表現されているものであっても,同法において保護される「映画の著作物」には該当しないこととなると解される。
 被告が同時再送信するテレビ番組は,テレビドラマのように録画用の媒体に固定され,しかる後に放送される番組もあるが,生放送番組のように媒体に固定されずに放送される番組もあることは当裁判所に顕著である。このような,媒体に固定されずに放送されるテレビ番組は上記の「映画の著作物」に該当しないものと解されるところであって,およそテレビ番組はすべて「映画の著作物」に該当することを前提とする被告の主張を採用することはできない。