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著作権判例セレクション
【写真著作物】商品写真(IKEA製品の広告写真)の著作物性を認定した事例
▶平成27年1月29日東京地方裁判所[平成24(ワ)21067]
(1)
原告各写真の著作物性について
原告各写真は,原告製品の広告写真であり,いずれも,被写体の影がなく,背景が白であるなどの特徴がある。また,被写体の配置や構図,カメラアングルは,製品に応じて異なるが,原告写真A1,A2等については,同種製品を色が虹を想起せしめるグラデーションとなるように整然と並べるなどの工夫が凝らされているし,原告写真A9,A10,H1ないしH7,Cu1,B1,B2,PB1については,マット等をほぼ真上から撮影したもので,生地の質感が看取できるよう撮影方法に工夫が凝らされている。これらの工夫により,原告各写真は,原色を多用した色彩豊かな製品を白い背景とのコントラストの中で鮮やかに浮かび上がらせる効果を生み,原告製品の広告写真としての統一感を出し,商品の特性を消費者に視覚的に伝えるものとなっている。これについては,被告自身も,「当店が撮影した画像を使用するよりは,IKEA様が撮影した画像を掲載し説明したほうが,商品の状態等がしっかりと伝わると考えております。ネットでの通信販売という性質上,お客様は画像で全てを判断いたします。当店が撮影した画像ではIKEA様ほど鮮明に綺麗に商品を撮影することができません。」と述べているところである。
そうであるから,原告各写真については創作性を認めることができ,いずれも著作物であると認められる。