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著作権判例セレクション

【著作物の利用の許諾】転載禁止等の注記がないことは黙示の利用許諾になるか

令和5228日東京地方裁判所[令和4()15136]
2 争点1-2(黙示の承諾の有無)について
被告は、本件動画2につき転載禁止等の注記がされていないことを根拠として、原告は本件動画2の利用を黙示に承諾していた旨主張する。
しかしながら、証拠及び弁論の全趣旨によれば、本件動画2は、いわゆる鍵アカウント設定で投稿されたものであり、原告のフォロワーのみが閲覧可能なものとして公開されたものであること、ストーリーズに投稿されたものであり、24時間が経過すると視聴が不可能となること、以上の事実が認められる。
そして、インスタグラムに公開した動画につき、転載禁止であることを積極的に示していない事実をもって、直ちに、第三者による一切の利用を承諾したということはできず、その他に、被告は、黙示の承諾の存在を基礎付ける具体的事情を主張立証するものではない。
これらの事情を踏まえると、原告は、本件動画2の利用を第三者に承諾していたものと認めることはできない。
したがって、被告の主張は、採用することができない。