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著作権判例セレクション
【侵害とみなす行為】法113条1項2号の意義と解釈
▶平成14年4月16日東京地方裁判所[平成12(ワ)15123]▶平成15年07月18日東京高等裁判所[平成14(ネ)3136]
控訴人学院は,遅くとも,一審判決正本が送達された平成14年4月中旬ころまでには,本件書籍が本件複製権を侵害する行為によって作成された物であることを知ったから,これを販売,頒布する行為は,本件著作物の複製物の知情頒布行為として本件著作権を侵害する行為とみなされる。控訴人らは,本件訴訟において本件著作権の侵害が争われている以上,判決確定前に一審判決正本の送達により著作権法113条1項2号所定の「情を知って」の要件が充足されるものではないと主張するが,本件書籍の印刷,出版が本件複製権の侵害に当たるとする一審判決が送達されれば,遅くともそのころまでには,控訴人学院について「情を知って」の要件が充足されたと認められる。