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著作権Q&A

{Q} 「著作物」とは何ですか?

A 「著作物」とは、「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」です。

以上は、著作権法の「定義規定」(211号)に明示されているものです。この定義から、次のものは、「著作物」ではありません:
① 「思想又は感情」を表現していないもの。単なる事実やデータを記述しただけのものは、そこになんら人の思想や感情が伴っていないため、「著作物」ではありません。
② 「創作的に」表現されていないもの。他人の作品を盗作したものに創作性は認められませんし、誰がやっても同じようになってしまう表現(ありふれた表現)も、やはり、「著作物」ではありません。
③ 外部に「表現」していないもの。内心にとどまっているアイディア(思想や感情)や、作品の背後に隠れているアイディアそれ自体は、「著作物」ではありません(もっとも、何かのアイディアを、「文字(文章)」という表現形式を用いて、論文や小説などとして外部に表現すれば、それは「著作物」です。)。
④ 「文芸、学術、美術又は音楽の範囲」に属していないもの。例えば、純粋な実用品や工業製品は、「著作物」ではありません。
よく、「特許権はアイデアを保護し、著作権は表現を保護する」といわれます。例えば、ある薬の製法について特許権が付与されている場合、その製法に従って薬を製造したり販売すること(アイディアの利用)は、特許権の侵害となります。一方、その製法を文字で記述した論文をコピーすること(表現の利用)は、著作権の侵害になります。