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著作権Q&A

{Q} 「公表権」とは何ですか?

A 公表権とは、まだ公表されていない著作物を公衆に提供し又は提示する権利のことです。

公表権(181項)は、著作者が有する著作者人格権の1つで、「自己の著作物でまだ公表されていない(未公表の)ものを公衆に提供し又は提示する権利」のことです。ここで、「まだ公表されていない(未公表の)もの(著作物)」には、「著作者の同意を得ないで公表された著作物」を含みます。また、「公衆」とは、「不特定の者」又は「特定多数の者」を意味します(25項参照)。さらに、「公表」の意義(どういう場合に「公表」されたと言えるか)については、法4条に規定が置かれています。
「公表権」とは、著作者に認められる、未公表著作物の公表にかかわる決定権のことです。具体的には、次の3つの内容を含むと解されます:
① 自己の未公表著作物を公衆に提供又は提示するか否かを決定すること。
② 公衆に提供又は提示するとしたならば、いかなる利用態様で公表するか(例えば、出版か、上演か、放送か等)を決定すること。
③ いつ(いかなる時期に)公衆に提供又は提示するかを決定すること。
したがって、著作者の同意を得ずに無断でその者の著作物を公表してしまう行為は、原則として、公表権の侵害となります。一方、すでに適法に公表されている著作物には、そもそも公表権は働きません。