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著作権Q&A

{Q} 「口述権」とはどんな権利ですか?

A 口述権とは、著作権の1つで、言語の著作物を、公に口述する権利のことです。

著作者は、その言語の著作物を、公に口述する権利を専有します(24)。「専有」というのは、他者を排して、自分だけが独占的に(権利を)有する、という意味です。つまり、口述権は、著作者が原始的に有する排他独占的権利です。
ここで、「口述」とは、「朗読その他の方法により著作物を口頭で伝達すること(実演に該当するものを除く。)」を意味します(2118)。例えば、小説や詩を公衆の面前で朗読する場合などが典型的な「口述」に当たります。また、「口述」には、生の(ライブの)口述だけでなく、口述をテープやCDなどに録音したものを再生する行為も含まれます(27項参照)
「公に」というのは、著作権法では、「公衆に直接見せ又は聞かせることを目的として」という意味で統一して使われています。そして、「公衆」とは、不特定の者又は特定多数の者をいいます(25項参照)。つまり、家庭内やそれに準ずるごく限られた友人間におけるような「特定少数」に対する口述(例えば、お母さんが絵本の物語をこどもに読み聞かせる行為)には、口述権は及びません。
「口述権」は、小説や詩、講演などの「言語の著作物」のみを対象とする著作権ですが、これらを口頭で伝達する際にそこに演劇的な要素(演技)が加わると(例えば、「講談」や「落語」など)、それは「口演」となり、そこには、上演権(22)が働くことになります。