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著作権Q&A

{Q} お店で購入した本や音楽CDを転売することは、譲渡権の侵害になるのですか?

A あなたがお店で購入した本や音楽CDが「適法に」市場に出されたものであれば、それを転売しても譲渡権の侵害には当たりません(自由に転売できます)

著作者は、その著作物の原作品又は複製物を公衆に譲渡する権利(譲渡権)を専有する(26条の21)のですが、その原作品又は複製物が、例えば、著作者(著作権者)の許諾を得て市場に出された(公衆に提供された)ものであるような場合には、その後の譲渡(転売など)には譲渡権が及ばないことになっています(26条の12項各号参照)。このように、「いったん適法に譲渡された著作物の原作品又は複製物について、その後さらにそれを公衆に譲渡する行為に譲渡権は及ばない」という考え方を、少々難しい用語で恐縮ですが、「譲渡権の消尽」(ファースト・セール・ドクトリン(the first sale doctrine)と呼んでいます。譲渡権の消尽の理論は、国際的にも了解されているのですが(WIPO著作権条約6(2)参照)、その趣旨は、商品取引の安全と円滑な流通の確保にあると言えます。もっとも、譲渡権が消尽したか否かは、あなたが購入した商品(本や音楽CD)の11つについて判断されるので、ある商品について譲渡権が消尽したからといって、いまだ適法に公衆への譲渡が行われていない別の(同種の)商品について自動的に譲渡権が消尽するものではありません。注意してください。