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著作権Q&A

{Q} AI開発に使うビッグデータをAI開発を行う会社に譲渡することはできますか?

A 原則として、可能です(譲渡できます)

著作物は、「著作物の利用に係る技術の開発又は実用化のための試験の用に供する場合」には、「その必要と認められる限度」において、「いずれの方法によるかを問わず」、原則として、利用することができます(30条の41号参照)。ただし、当該著作物の種類及び用途並びに当該利用の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでありません。
最近では、例えば、AI技術の開発実用化のためにネット上の大量の情報(ビックデータ)を収集して試験に用いるといったことが行われています。このような著作物の試験利用は、通常、著作権者の経済的利益を不当に害するものではないと考えられるため、著作物の「公正な利用」(1条)とのバランスを図るという法目的に照らして、原則的な自由利用が認められています。その際、「いずれの方法によるかを問わず」利用することができると規定されているため、集めたビッグデータ(著作物)を「複製」するだけでなく、それを第三者に「譲渡」する利用行為についても、それがAI開発の試験利用という目的に限定されている限り、「その必要と認められる限度」において、原則として、可能になります。