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著作権Q&A
{Q} 絵画を売り渡した場合、その絵画の著作権も譲渡したことになるのですか?
A 絵画を売り渡しても、直ちに、その絵画の著作権も譲渡したことにはなりません。
著作権は、「思想又は感情を表現したもの」(著作物)に発生する権利であって、その表現(著作物)がある有体物に現れていても、その有体物に対する権利、すなわち、物の所有権とは別個の権利です。したがって、絵画の売り渡し(売買契約)が行われて場合、買主に移転するのは、その絵画の「所有権」のみであると解されます。その絵画の著作権の譲渡も希望するのであれば、別途、著作権の譲渡契約を結ぶ必要があります。
(参考) 著作権と物の所有権とが別個の権利であることは、例えば、アメリカ連邦著作権法では、条文として明記されています(202条)。この点、わが国にはそのような明示規定はありませんが、最高裁の判例として確立した解釈があります(昭和59年1月20日最高裁判所第二小法廷[昭和58(オ)171]参照)。