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著作権Q&A
{Q} わが社のゲームソフトの海賊版が大量に輸入されていることがわかりました。輸入業者に対して著作権を主張できますか? 輸出業者に対してはどうでしょうか?
A 輸入業者に対しては著作権侵害を主張できますが、輸出業者に対しては直接著作権侵害を主張することはできません。
著作権法には「侵害とみなす行為」というのがあって、本来的・形式的には、著作権を侵害する行為(著作物の利用行為)に当たらないが、著作権者の経済的利益を実質的に害することとなる一定の類型に属する行為について、これを(本来的な)著作権の侵害行為とみなして扱おうとするものです(113条参照)。このような「侵害とみなす行為」の類型に1つに次のような「輸入」行為が規定されています:国内において頒布(譲渡や貸与)する目的をもって、輸入の時において国内で作成したとしたならば著作権の侵害となるべき行為によって作成された物を「輸入する行為」は、当該著作権を侵害する行為とみなす(113条1項1号)。
ご質問の「ゲームソフトの海賊版の輸入」は、上記の該当するものと解されますので、輸入者に対しては、著作権侵害を主張する(具体的には海賊版の差押え等の措置をとる)ことが可能です。なお、この場合、「侵害とみなされる行為」を行ったのは海賊版(侵害物)を「輸入」した者であって、侵害物を輸出した者や侵害物を複製した者ではありませんのは、彼らに対して直接著作権侵害を主張することはできません。