Kaneda Legal Service {top}

著作権Q&A

{Q} 入試(入学試験)の問題は著作物ですか?

A 入試問題全体では「編集著作物」に該当する場合が多いと思われます。

「編集物でその素材の選択又は配列によって創作性を有するもの」は、編集著作物として、全体で一つの著作物として保護されることになっています(121)。典型的な例としては、新聞や雑誌、百科事典、美術全集、詩集、論文集、判例集、名曲集、英単語集、職業別電話帳、人名録などがこれに当たります。
入試問題は、一般的に、複数の問題から構成されていますが、それぞれの試験を実施する目的や意図にしたがって、どのような問題(素材)を「選択」するのか、そして、一定の方針にしたがって選択した問題をどのように「配列」するのかについて、出題者の創意工夫(創作性)が発揮されるものです。そのため、入試問題は、通例、その試験問題の全体で1つの著作物(編集著作物)として保護されるのです。
一方、そのような入試問題の「素材」ともいうべき「個々の問題」については、小学校レベルの簡単な計算問題もあれば、相当程度にまとまった文章問題までさまざまものがあり得ますので、一概に、著作物性を論ずることはできません。個別の問題としても著作物性が認められるもの(問題)もあれば、著作物性が認められないもの(問題)もあります。また、かりにすべての問題(素材)に著作物性が認められなくても、「全体」としてその「選択又は配列によって創作性を有するもの」であれば「編集著作物」として保護されるのです。この点、ご注意ください。