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著作権Q&A
{Q} 実演家が死んだら、実演家人格権はどうなるのですか?
A 実演家人格権は消滅しますが、実演家の人格的利益は、一定要件の下で、守られます。
実演家人格権は、実演家の死亡とともに消滅する(101条の2)のですが、実演家の死後においても、一定要件の下で、その人格的利益の保護が図られています。具体的には、次の規定が用意されています:
〇実演家の死後における人格的利益の保護(101条の3)
「実演を公衆に提供し、又は提示する者は、その実演の実演家の死後においても、実演家が生存しているとしたならばその実演家人格権の侵害となるべき行為をしてはならない。ただし、その行為の性質及び程度、社会的事情の変動その他によりその行為が当該実演家の意を害しないと認められる場合は、この限りでない。」
〇実演家の死後における人格的利益の保護のための措置(116条)
「…実演家の死後においては、その遺族(死亡した…実演家の配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹をいう。以下この条において同じ。)は、当該…実演家について…第101の3の規定に違反する行為をする者又はするおそれがある者に対し第112条[注:差止請求権]の請求を、故意又は過失により…実演家人格権を侵害する行為又は…第101条の3の規定に違反する行為をした者に対し前条[注:名誉回復等の措置]の請求をすることができる。」(1項)
(2項3項略)
ここでは詳細な解説は避けますが、次の点は、よく覚えておいてください:
▶実演家人格権は実演家の死亡とともに消滅するが、法101条の3及び法116条の規定によって、実演家の死後におけるその人格的利益の保護は、実演家の死亡後も相当長期にわたって続く。