Kaneda Legal Service {top}

著作権Q&A

{Q} 発行後70年以上経過した雑誌や新聞の記事や写真は自由に利用するこができますか?

A 原則として自由に利用できますが、注意すべき点があります。

著作権の保護期間(存続期間)は著作者の生存間プラス「著作者の死後70年を経過するまでの間」存続するのが原則です(51)。ところで、「無名又は変名(ペンネームなど)の著作物」及び「法人その他の団体が著作の名義を有する著作物」の著作権については、その「著作物の公表後70年を経過するまでの間」存続するのが原則となっています(521項、531)
雑誌や新聞紙の「発行」というのは、著作権法上は著作物の「公表」(4条・3条参照)を意味すると解され、また、雑誌社や新聞社の従業員である記者が書いた記事やカメラマンが撮影した写真は、多くの場合、「職務著作」(151)に該当し、そのような記事や写真は、雑誌社や新聞社という団体の著作名義で公表されることになります。したがって、雑誌や新聞の記事や写真は、上述のように、その公表(発行)後70年で保護期間が満了することになりますから、そのような雑誌や新聞の記事や写真は、公有財産として(パブリックドメインに属し)、自由に利用することができます。もっとも、雑誌記事や新聞記事の中には著作者の本名(実名)や一般に知られている周知の変名を付して公表される著作物もあり、そのようなものについては、原則通り、著作者の死後70年間保護されるため、雑誌や新聞の発行後70年以上経っていても、いまだ著作権が存続している場合があります。この点は注意を要します。