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「契約書式(文化庁が公開しているひな形)」を利用するに当たっての注意事項
昨今の著しいデジタル化・ネットワーク化の進展に伴い、著作物の利用方法(利⽤形態)が複雑化・多様化しています。そのため、自己の著作物を他人に提供(利用許諾)したり、他人の著作物を利⽤する際には、起こりうるリスク(トラブル)を回避するために、当事者間で契約内容を明らかにして、明確な形で文書化(書面化)しておくことがますます重要になっています。
さて、本サイトで掲載する「契約書式(文化庁が公開しているひな形)」は、「文化庁長官官房著作権課」が作成公表している「誰でもできる著作権契約マニュアル」(以下、「本マニュアル」といいます。)等の中に紹介(掲載)されているものです。
言うまでもなく、著作権に関わる契約は千差万別であり、著作権の対象となる著作物の種類やその利用方法などによって、同じ表題の契約書(例えば「○○利用許諾契約書」)であっても、その中で具体的に記載する内容は自ずと異なってきます。つまり、本マニュアルで紹介されているのは、あくまで一つの例でしかありません。実際の契約においては、当事者間でさまざまな条件が提案され、合意に向けての話し合いが行われて、最終的に当該合意が文書化されて、「契約書」の中に落とし込まれます。そのため、契約条件が複雑であったり、契約内容が多岐に及ぶ場合(著作権以外の法律問題を含む場合)には、ここで掲載している文化庁のひな形では足りません。その点を留意してください。
また、文化庁作成にかかる本マニュアル中の契約書は、いずれも、著作物の創作や実演を職業としていない者とその利用を職業としていない者の契約、つまり一般の人同士の契約を想定しています**(注)ので、会社同士の契約や、ビジネスの規模が大きな取引(契約)には向いていません。この点をあらかじめ了解した上で、ご自身が契約当事者になった際の参考にしてください。
**(注)「誰でもできる著作権契約マニュアル」の改訂版(令和4年)では、その「はじめに」で、次のように記されています:『インターネットに代表される情報技術の進展等によって、著作物の創作⼜は利⽤を本来の職業としていない⼀般の⽅々が、著作物の提供者あるいは著作物の利⽤者となる機会が増えてきました。著作物を提供したり利⽤したりする際には、当事者どうしで著作物の利⽤条件やその範囲、著作権の帰属を明確にするために、書⾯により契約書を取り交わすことが望まれますが、著作権に関する法律知識や契約実務の知識等があまりない⼀般の⽅々にとっては、個⼈の⼒だけで契約書を作成するのは簡単ではないというのが実情です。
そこで、このマニュアルは、著作権の分野に必ずしも精通しているわけではない⼀般の⽅々が、著作権に関する契約書を作成するために必要な知識をできるだけ簡単に習得できるよう、作成したものです。』
{art}『契約書例(文化庁が公開しているひな形)①』~「イラストの作成(ポスター・パンフレットなどの作成)」の契約書式~
{art}『契約書例(文化庁が公開しているひな形)②』~「原稿の執筆」の契約書式~
{art}『契約書例(文化庁が公開しているひな形)③』~「既存の原稿(エッセイ、詩、⼩説など)やイラスト、写真、⾃作の楽曲・ 映画、舞踊(ダンス)・無⾔劇などの利⽤許諾」の契約書式~
{art}『契約書例(文化庁が公開しているひな形)④』~「演奏会・上演会などにおける実演」の契約書式~
{art}『契約書例(文化庁が公開しているひな形)⑤』~写真撮影」の契約書式~